着物産業におけるDX実現についての弊社の計画

こちらのページでは、弊社が着物産業のDXをいかに実現するか、その取り組みの計画について掲載いたします。なお、詳細については一部公表していない点もございます。ご了承ください

弊社これまでの歩み

私たちMaotuが活動をはじめたのは、2017年の東京都主催ビジネスプランコンテストTokyo Startup Gateway でした。

その時点で呉服産業のデジタル活用は大幅に遅れており、経産省では平成27年から和装振興協議会等が結成され毎年さまざまな、すばらしい議論と調査がなされたものの、デジタルに関する観点からの提言は全く出ていない状況で、民間からの解決策が出現することが切望されていたように思います。

そこで私たちは、これまでのさまざまなデジタル分野での経験を活かし、着物産業に特化したサービスの開発を目指して起業しました。

有難いことに、Tokyo Startup Gateway2017ではファイナリストに、中野区主催ビジネスプランコンテスト・ビジコン中野2019では最優秀賞に選んでいただきました。

いよいよ、β版サービスローンチをし、呉服産業に、どんな方も使いやすく、気軽に着物を楽しんでいただけるようなデジタルツールを提供して産業に貢献をしようとしたタイミングで、コロナ禍がはじまり、大きくマーケットの需要が変化いたしました。

それにあわせて、より時代にあったデジタルツールの開発により呉服産業を圧倒的にアップデートしていく必要があると考え、戦略をまとめましたのでお知らせいたします。

デジタル技術が社会や弊社の競争環境に及ぼす影響について

コロナ以前は、観光産業の成功により、日本文化産業は新たな活気を見せ始めていた矢先でした。しかし、コロナが始まって以降は、呉服産業の状況は最悪の状態となり、今も回復していません。特殊なマーケットゆえ、競争環境というよりは、着物に関わる全ての方々が使えwin-winを生み出せるデジタル技術が登場することではじめて、この特殊な呉服産業は未来につながる道筋が見えるといえます。

コロナ禍で変わったのは、呉服産業側の状況だけではありません。ユーザー側にも大きな変化が訪れました。ネットとともに過ごす時間がさらに増え、TikTokのような超短時間の動画を次々と眺めるといった行動やFacebookがmetaと名前を変えるほどVRユーザーが増えはじめました。Web3.0が浸透するまでには技術的な問題もあり、まだ時間はかかりそうですが、多くの顧客が、ネットの擬似体験を娯楽の基本とし、リアルに出かけたり体験する工数と予算がより必要となるものには、『特別な付加価値』を求めるようになりました。

つまり単なるECやプラットフォームでは追いつかず、真の意味でDXを実現するのならば、顧客にとって『特別な付加価値』をデジタルでも実感できることが満たされて、はじめてこの呉服産業のDXは実現されるだろうと、我々のチームは予測するのです。

上記を踏まえた経営ビジョンとビジネスモデル

上記の見解から、我々は、徹底的にユーザーへのモニター体験実施と顧客インタビューによる調査によって、顧客が、着物を着る体験の何によって『特別な付加価値』を感じるのか、ということを明らかにしました。

呉服産業の課題は、作り手側の「良いもの=手間がかかっているもの・特別な手技が必要なもの」という価値観をはじめから顧客に押し付けてしまっていることです。顧客は、職人の手間や特別の技法を軽んじているわけではありません。しかし、日常の価値観からあまりに遠いので、どのように享受すれば良いのかわからないのだということが、分かってきた。

このように、徹底的な顧客体験とインサイトの分析を行い、弊社では、着物を着る「顧客体験価値の可視化」を構築するためアプリケーションを開発し、着物産業の再生を模索する。

実現するための基本戦略

DXの実現は、戦略の通りウォーターフォール型で実行すれば実現するわけではなく、試行錯誤を重ねながら答えを導き出す、アジャイル開発をベースとし、実証実験を重ねながら進める。

戦略推進のための体制

せっかく良い企画があっても、システムがきちんと動くものができあがらず、予算を無駄にしてしまうという話は、残念ながら、しばしば聞く課題である。システムベンダーに丸投げ状態になり、また、オフショア開発など、エンジニアやデザイナーと直接のコミュニケーションを取りながら進めないとプロジェクトは破綻しやすい。

しかし、弊社では、代表の長岡もWebディレクターやアプリ構築の企画などの経験があるため、ベンダーに丸投げする形ではなく、検証を重ねながら、確実にユーザーが利用できるものを作成することが可能であり、この体制でプロジェクトを進める。

また、特殊な分野でのDXなので内閣府タスクフォース(価値デザイン社会審議会)メンバーなどを歴任されている田所雅之氏にビジネスサイドについて、専門的アドバイスをいただきながら進める。